地元愛を育てたい! もみじ園から広がる地域の輪|廣川篤さん【インタビュー】

家業の傍ら「越路もみじの会」の会長を務める廣川篤さん。この会は、名士の別荘の庭園であった今のもみじ園を整備するために、地元企業が主体となって1997年に発足されました。「私が子どもの頃は荒れ地でしたが、それ以前は、花見や夏の夕涼みなどのいこいの場として住民に親しまれていたと聞いています」。そんな光景をよみがえらせたいとの思いに賛同して入会しました。

越路もみじの会の会員は約140名。年間8~9万人もの人が訪れるもみじ園で、園内の整備とボランティアガイドの活動をしています。また、もみじを地域全体で育ててほしいと、実った種から3~5年間の手間暇をかけて苗木を育て、秋季には来迎寺駅と、駅からもみじ園までの通り沿いに鉢植えを並べて町を彩ります。さらに、子どもたちに樹木に親しみをもってもらえるように、毎春、越路中学校の新1年生に1人1本ずつもみじの苗木を贈呈してきました。その累計はなんと、4千本を超えるほど!また、総合学習やボランティアガイドの実習を通して子どもたちとの交流も深めています。「一本の木を育てる過程を通じて、動植物との関わりや他者への気遣い、ひいては自らの成長にも気づく契機となればと思います。もみじ園での学びが、地元愛や地域への誇りに繋がるといいですね」。

こうした活動には人手が必要で、もっと会員を増やしたいと考えています。「はじめは慣れない役割に尻込みしていた人も、今では進んでガイド役に手を挙げてくれます。協力者を集めるには、やはり一人ひとり口説いていくのがコツですね。活動に関わる人が増えると地域も元気になります」。これからも、木々が育つように一歩一歩着実に地域が発展していく姿を見守っていきます。

“地域の将来を想うリーダー”廣川篤さんは、らこって2020年4月号でご紹介しています。

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fukuda.nkyod